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「ああーあいつか!すみません、たった今出て行ったところなんですよ。」
「……そうか。助かった、情報提供ありがとう。」
「いえ!また明日も来ると思いますよ?毎日来てるので。」
「そうか、わかった。ありがとう。では邪魔したな。」
扉を閉めると、外で待っていた聡と目が合う。
俺の顔を見たのか、困った様に眉を下げた。
「あー、その顔、って事はダメだったんだ?」
「あぁ。既に逃げられていた。」
「うーん手強いなぁ、鷹野くん!」
そう、俺は今鷹野くんを探していた。
ちなみに今のところ心当たりのあるところは全滅だ。教室、図書館、食堂、庭園、生徒ホール、どれもだ。
この分だと既に寮に帰宅しているのかもしれない。
「うーん、もう寮に帰っちゃったか?談話室も覗いてみる?」
「ああ。ダメもとで行ってみるか。」
正直、鷹野くんの性格的には談話室や庭園などには寄り付かなそうだがな。
しかし、こちらがそう思うことも踏んで敢えてそういう場所に避難しているかもしれないし、目撃情報もあるかもしれないから行って損は無いはずだ。
「よーし、そしたら談話室にしゅっぱーつ!」
「元気だな、お前は。」
「おじいちゃんみたいなこと言うなよ!綾斗ももっと元気だしてけ!」
「ああ、そうだな。」
「棒読みやめろって!!」
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