人として、風紀として 1

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それから二限三限と、授業を受けていく。 背筋を伸ばして座っていると、教室に入ってきた教師達は必ずと言っていいほど驚き、そして「九条くんの顔を見るのは久々ですね。」だとか、「漸く激務から開放されたんですか…いいな…。」だとか、まあ様々な反応を頂いた。 いいな…と言っていた英語教師は1度理事長に訴えたらどうだろうか。 そうして冒頭に戻る。 談話室へ向かう途中、聡には事の経緯を細かく話した。 「ふぅん。んじゃその2人を風紀に入れないと綾斗は仕事させて貰えないんだ?」 「ああ。だから一刻も早く入ってもらう必要がある。」 「うぅん……普通そこは喜ぶところだろ…。」 「そうか?風紀委員長になったにも関わらず職務放棄してリコール、とならないか冷や冷やしているのだが。」 「はは、浅桜さんがそうはさせないでしょ!だいたい生徒会じゃあるまいし、お前が職務放棄してるなんてみんな毛ほども思ってないって!」 「なら良かっ…なぜ生徒会?期限はギリギリだわ文句は言うわ、ふざけるわセクハラだわで最悪な連中だが、サボったことはなかったと思うが…。」 「…あっやべ。あ!あはは!!!そうだったわ!!!あーたいへん間違えちゃったー」 「どうした、わざとらしいぞ。」 「お、俺のことはいいんだよ!ほら談話室ついたぞ!鷹野くんいるかもだろ!ほら!あ、ごめんちょっといいかな鷹野くんって子知らない?」 「…………。」 「ほら綾斗も聞いてきて!な!」
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