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じゃあそこに魅力を感じない人は、どうすれば風紀に誘えるのだろうと考える。
きっとこの答えを見つけなければ、鷹野くんが風紀に入ってくれることは無いだろうなと薄々感じていた。
鷹野くんの、自分が良ければ他はいいという考えは余りにも利己的だが、俺は彼の生い立ちなどは何も知らない。
きっと色々苦労もあったのかもしれない。
というか人間誰しもそんなもんだろう。
それともただ勉強が好きなだけかもしれない。
ま、俺はそうでは無いんじゃないかと思っているけど。
とにかく、彼ともう一度会って話しをしたい。
俺もそれなりに勉強はできるし、浅桜もいる。風紀に入ったとしても頑張ればそれなりの成績を保つことは出来ると思う。
それに風紀委員に所属していたことは、きっと内申点にもいいと思う。というかそう信じてる。これは確証はないが。
この考えが物凄く自分勝手だというのはわかるが、俺にはどうしてもあの二人が必要なのだ。
一口も飲まなかった水のグラスをテーブルに置き、時計を見る。
「18時過ぎか。夕飯を食べるのもいいが、食堂は混んでいるか…。なら少しだけ書類を処理するか。」
いくら追い出されたとはいえ、風紀委員長でないと処理できないものは出てくる。
そういうものは纏めて今朝雅也に押し付けられてたから部屋にある。
夕飯前に済ませてしまおうと、俺は立ち上がって書類を取りに行くために部屋へと向かった。
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