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「この人、行く先々の人に僕の写真見せながら『どこに行ったかわかるか?もしわかったら教えてくれ。そしてもし彼にあったら2年S組の教室にいるから、俺が探していたと伝えておいてくれ。』って言ったんです。」
「う?うん、まあ探してたしな。」
でもそれでなんで教室に飛び込んでくるんだ?という顔をしている。わかりやすい奴だ。
鷹野くんは悔しそうな顔をして言った。
「僕も最初は無視しようと思いましたよ!だけど行く先々で言われるし、2年S組の教室じゃない方に行こうとすると誘導されるし!!!!」
「あぁ………。」
ようやくピンときたのか、うわぁという顔をしながら俺を見てきた。
なんだよ、効果的だろう?
「まるで僕が何か問題を起こして風紀に探されている様に見えるので、変なことするのはやめて貰えませんか?これ、れっきとした嫌がらせですよね。」
「そんな訳ないだろう。君とはもう一度きちんと話したかっただけなんだ。」
「だから、風紀になることは、」
「はい、ストップ!!!一旦落ち着けって!ほら、ここでその話するのはやばいから!一旦移動しようぜ?」
聡にそう言われて、鷹野くんは初めて我に返ったのか、クラスメイトから興味深そうにチラチラと見られているのに気が付いたようだ。
その瞬間、表情が貼り付けたような真顔になった。
そして声のボリュームを落とすと、鷹野くんは言った。
「……取り敢えず、僕の部屋に来てください。話はそれからです。」
「分かった。」
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