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次の日の朝、資料を風紀委員室に取りに行こうと向かうと、風紀委員室の前で誰かが立ち尽くしていた。
「どうした?何か用……、鷹野か?」
「あっ、九条さん。その、僕は、」
「なんだ?何か用でもあったか?要件があれば聞くが。」
「は?!な、な、」
「ん?」
何故かわなわなと震え出した鷹野くんに、俺は首を傾げる。
「あ、貴方が!僕が必要だと言ったんじゃないですか!!やっぱり冗談だったんですか?!弄んだんですか?だから最初に断ったんですよ!!僕を振り回して何が楽しいんですか!」
「待て、落ち着け鷹野。つまりそれは、風紀に入る、ということか?」
「だ、だって、貴方が昨日、僕が必要だって…。」
「鷹野…。」
耳を赤くしながらそう言った鷹野くんを、俺はまじまじと見つめた。
「………やっぱり、」
「本当に入るんだな?本当だな?」
「え?は、そ、そのつもり、でしたけど、」
「そうか、そうか。なら話は早い。」
そう言うと、俺は入るぞとドアを開ける。
そのまま部屋を見回して言った。
「浅桜はいるか?」
「いるよ。2人とも大声で騒ぐんだから、全部聞こえていたよ。うん、鷹野くんだね?ここに申請書があるから、名前を書いて貰ってもいいかな?」
「は、はい。」
ソファに座らせると、ペンと紙を差し出した。
俺はその様子を見ながら向かいのソファに座る。
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