E組

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そう言って笑った奴に、俺はあっと思いだした。 そう言えば、谷塚が風紀に逃げてきた時に探していた声がしたが、あれ、もしかしてこいつだったのか?? 「俺の事押し倒して来よったのに、ウチが迫ったら『何するんですか!』っていいよるん。もうほんまにおかしくておかしうて!」 「………。」 やっぱり谷塚の事だったのか。 というかよりによって近衛って、また厄介なやつに気に入られてしまって、本当にあいつ可哀想だな…。 「勝気なとことか、ちょっとえっちぃとことかほんまに堪らん。もう可愛くて可愛くて… ……めちゃくちゃに泣かしたくなるな。」 「……お前、本当に変態だな。」 もうこいつ通報した方がいい気がしてきた。 俺の冷めた視線に気がついたのか、近衛はあっと声を上げた。 「勿論、1番は綾チャンやで?高校卒業したら結婚しよなぁ♡」 「寝言は死んでから言え。」 「いや死んだら言えへんやん!!」 ツッコミだけは真面目にしやがって。 睨む俺に、近衛はグッと顔を近づける。 「ほんで?ほんまに綾チャンはこんな所で何しとったん?」 「……気になる1年がいてな。どうしてもと言って話をしてもらっていた。」 「…………気になる、1年??」 「ああ。ま、結果はこのとおり惨敗だったん、んぁっ、は?え、」 「なに?綾チャン俺の知らんとこで、うちんとこの1年たぶらかしてたん?俺がいながら?」
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