E組

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突然真顔になって、俺の耳をすりすりと触った近衛に、俺は混乱する。 「誑かす、っ、て、ん、やめ、」 「その1年ってどいつや。俺が締めとくから、名前を言え。」 「は?ちょ、ひぁ、お前は、な、に言ってるんだ!」 ガンっと近衛の拗ねにパンチを入れる。 突然の俺の動きに少し驚いたのか、動きが止まったすきに抜け出す。 暖かい人の体温から離れて、少し冷えを感じた。 「お前、本当に突然なんなんだ!」 「だってぇ、綾チャン好きなやつおったとか、俺、俺…!」 「はぁ??何言ってるんだお前は。」 なんの話ししてんだ。 …待て、こいつなんか勘違いしてんじゃないだろうな?? 俺は、何故か悲しげにこちらを見る近衛に、1からきちんと理由を説明する。 「だから、さっきその話を断られたって言うことをぅお、」 「そーやったん??なんや、驚いたわ!」 「こっちも驚いたわ。突然、へ、変なことしやがって。」 さっきより緩い力で抱きついて来た身体を床に転がす。気安く触るな。 全く、手が早い変態は怖いな。 「くく、照れちゃってかぁわあい。」 「チッ!!帰る!」 「おー、また明日も来るんやろ?ならええわ。」 「お前のところに行く訳では無い!」 「んはは!あ、そうやわ、綾チャン。その件なんやけど、俺も手伝ったるわ。」 「お前が?それは、有難いが…。」 変なこと要求されそうで怖いんだが。 そんな俺の顔に気づいたのか、近衛はニヤリと笑って言った。
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