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未だ震えるようにこちらを見つめてくる生徒を見る。
「俺も最近は忙しくて風紀を開けていることも多かったからな。1度しっかり教育し直した方がいいようだな。」
「そうだね。綾斗は可愛すぎるから、ここらで威厳を叩き込んだ方がいい気がするよ。」
「疲れているのか?仮眠室はあそこだぞ。」
「寝ぼけているわけじゃないよ。」
そう話していると、ガチャっと扉が開き誰かが駆け込んできた。
「おはようございますっす!!!!」
「犬飼、その変な語尾はやめた方がいいと思うぞ。おはようございます。」
「うぇ?!なんで?!あ、浅桜せんぱい〜!今日は何をっ、」
元気よく飛び出してきたのは雅也だった。その後ろからゆっくりと鷹野くんも入ってきた。
1年同士すっかり仲もいいようで何よりだな。
雅也は俺を見つけると一瞬だけ固まったあと、キラキラと顔を輝かせた。
「綾斗せんぱい〜!!!なんで?なんでここにいるんすか?あ、もしかしてもう皆呼び終わったからっすか?おれっち、結構仕事できるようにへぶっ、」
「朝から煩いぞ。九条さんも困ってるだろうが。」
「もーたかちゃん!頭叩くのはなしっすよ!」
「君が余りにもうるさ過ぎるからだろ。」
「あはは、朝から元気いっぱいかな?」
「へへ!うっす!」
「今のは嫌味だろ…。」
こっちに駆け寄って嬉しそうに話しかけてくる雅也。呆れたようにため息をついていた鷹野くんは、突然雰囲気の変わった場に、気まずそうにしていた生徒をちらりと見て言った。
「で?何があったんですか?今しているE組調査と何か関係でも?」
「流石鷹野くんだ、察しがいいね。」
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