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「風紀としても当然、むしろ人としてもしてはいけないことをしていたからねぇ。」
にこやかに言いながらそう圧をかける浅桜に、生徒は再び震えあがる。
こいつ、いつもよりにこにこしている時はかなり機嫌が悪い時だからな。俺の事を止めておいて、自分もめちゃくちゃ怒っているようだ。
「ど、どうか風紀をやめさせるのは…!」
「はい?君はまず、風紀を辞める心配よりしなきゃ行けないことがあるよね?」
「えっ、」
「むしろその考えになれる方が不思議ですよ。貴方がしていたそれって所謂いじめですよね?これが学校にバレた以上、退学するなりして責任を取るのが筋では?」
浅桜は笑顔で、鷹野くんは鋭い瞳を更にとがらせて威圧している。
雅也はそんな二人を見ておっかないっす…と呟いている。
凍えるような温度の風紀委員室は、突然のノックで戻った。
返事をする前に開けられた扉から、誰かがひょこっと姿を見せる。
「おはようさん、綾チャン。今日も相変わらず可愛ええな♡」
「っ、近衛…。」
昨日とは違い、その赤い髪を無造作に止めている男はニコッと笑った。
昨日別れたばかりだと言うのに、こいつ一体何の用なんだ。
思わずひくっと顔が引きつる。固まっている間に、浅桜が俺を庇うように前に立った。
「うちの綾斗になんの用ですか?近衛先輩?」
「りゅうチャンやん、久々やな!てか、俺の嫁に好きな時におうて何が悪いんや?」
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