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バチバチと火花を散らす2人に、1年はぽかんとしている。
今の3年、そして2年には有名すぎる奴だが、まだ入ってきたばかりで接点もほとんどない1年は近衛のことを知らなくてもおかしくは無い。
「彼はE組の…」
「あ、近衛颯!!E組のボスだって聞いたことあるっす!というか、E組のボスが風紀になんの用っすかね?」
「んはは、E組のボスって!なんか嫌やわ、だっさい渾名!って別に俺、りゅうチャンとバチバチしに来た訳やないんや。ほれ。」
そう言うと、近衛は体をずらして後ろにいた人を前へと押し出した。
「しゃんとご挨拶しとき?キリちゃん。」
「……っち、」
「え、キリって、獅堂くんすか?って、やっぱり全員揃ったから綾斗せんぱいここいたんすね〜!」
「いや、俺は、」
「キリ、行けや。」
「……うっす。」
なにか言いたそうにしていた獅堂に、近衛は微笑んで獅堂の耳元で囁いた。
そして返事を聞くと満足したように微笑んで言った。
「いやぁこれで解決?やな。良かった良かった。」
「いや、少し待ってくれないか。」
「なぁに?綾チャン。一応真面目に仕事したつもりなんやけど?」
「それはありがたいが、俺がこの話をしたのは昨日だぞ?」
「うん、せやな。」
「まさか無理やり連れてきたのか?いくら何でも早すぎるだろう。」
そう言うと、近衛はえ〜と言って肩をすくませた。
「も〜、我儘やな綾チャンは。意固地なヤツはちと強引にやった方がええ事もあんねんで?それに、ちゃんと俺もE組全員を説得してん?夜集めてなぁ。」
「それは、そうかもしれないが…。」
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