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「く〜!あの浅桜せんぱいと、E組のボスの近衛せんぱい前にして動じないとかさすが綾斗せんぱい!痺れるっす!」
「そうだな。」
「いやてか、俺別に風紀に入るの納得した訳じゃねえからな!何勝手に決まった感じになってんだよ!」
近衛に聞こえないようにか、声を潜めながらふざけんな!と吠える獅堂に、犬飼はキョトンと首を傾げた。
「でも近衛せんぱいさんはさっき入るって言ってたっすよね?」
「あ?!あんなのあの人が勝手に連れてきただけだろうが!無効に決まってるわ!」
「え?そーなん、キリ?」
「はっ、そうに決まって、…そ、颯さん…。」
いつの間にか2年の2人を置いてこちらに近づいてきたのか、近衛は獅堂の肩に腕を回した。
「俺、昨日言うたよな?異論あるやつは出て来いって。それ無視してここで駄々こねんのはちゃうやん?なぁ?」
「う、ぐ…。」
「なぁ?キリ。……いい加減腹くくれや。」
「…………。」
低い声で威圧する近衛に、獅堂は顔を顰めた。
「………。」
「キリ。」
「………よろしく、お願い、します…。」
いやいやですけど、という雰囲気がすごく伝わる言い方で獅堂は絞り出すようにそう言った。
近衛はそれに気を良くしたのか、サッと獅堂から離れると言った。
「ほんならこの話はここで終いや!パパっと書類書いてもらい、キリ。」
殆ど拒否権の無い獅堂は苦い顔をしながらも頷く。
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