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「おい、近衛、あまり無理強いをするのは、」
「あー、これで綾チャンからの頼み事は完了やろ?ほしたら綾チャンはこっち〜。今度は俺の頼みも聞いてや?」
「…………はぁ。浅桜、頼んだ。」
獅堂を説得しつつ、無理強いはするなよ、と思いながら浅桜を見つめた。
それににこりと頷くと、浅桜は書類を渡しながら言った。
「じゃ、獅堂くんにはこれを見てもらって…。鷹野くんはいつもの書類の処理をお願い。犬飼くんは…この生徒の処理を頼めるかな?」
「はいっす!」
いや、処理って。
雅也もはいじゃないが。
まあ、今までずっと放置されていた生徒は、浅桜によって適切に対処されるだろう。
うん、ここは俺が居なくても大丈夫そうだな。
1年と浅桜の頼もしさを感じながら、俺は出口でよりかかって待っている近衛について行く。
こんな強引に解決されるとは思ってなかったが、約束は約束だしな…。
それに、あそこで獅堂の意思を尊重しても良かったが、こいつは多分それを許さないだろう。
やっぱりこいつに頼るのは悪手だったか…。
俺は自分の選択に不安を感じながら、取り敢えず昨日の約束の内容を聞くべくデカい背中の後に続いた。
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