近衛のお願い

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チクリとした嫌味にも反応せず、副会長は首を傾げた。 「相変わらずだな、一ノ宮も。」 「まあ慣れましたよ。」 「中学からの付き合いだったか?」 「いいえ、違いますよ、小学校からです。」 「お前も大変だな…。」 この学園は一応小学校から付属が存在する。 一ノ宮も副会長も持ち上がり組なのだ。 俺は高校からだがな。 ところで、企画立案は生徒会の仕事だ。風紀はそれを元に当日のアシストなどをするのだ。それに加えて、生徒会が出した案が現実的に実施可能かどうかを確認するのも風紀の仕事なのだが、とある案をこの前却下したばかりだったのだ。 だからきっと、生徒会は今案を練り直しているのだろう。 そして会議室に置いてある、鍵のかかった棚には過去のそういった催事の記録があるから、きっとその中に必要なものでもあるのだろうな。 しかしなかなか見つからないのか、一つ一つ探していく副会長に、俺は立ち上がって隣に立つ。 「手伝おう。何を探している?」 「助かります。こちらの資料をお願いします。」 「分かった。」 2人で順番に棚を探していけば、きっと早く見つかるだろう。 それに、どうせ風紀に戻ったところで、今日はそこまで仕事はない筈だから手伝うくらいどうってことない。
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