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認めたくない現実
「委員長!こちらの書類の確認をお願い致します。」
「ああ。そこに置いておいてくれ。」
「委員長、こちらの管轄の配置はこれで間違いないでしょうか?」
「どれ…。ふむ、こことここは距離は近いが視界は悪い。このドアの付近にもう1人つけるといいだろう。別の班から回せるか確認とってくれるか?」
「はい、分かりました!失礼します。」
「委員長!!お忙しいところすみません、こちらの件ですが…」
ひっきりなしに来る連絡に、俺は相づちを打ちながら差し出された書類の内容を確認していく。
サラッと視界を遮る黒髪に鬱陶しくなり耳にかけながら顔を上げると、何故か先程まで一生懸命話していた委員が口をパクパクさせて固まっていた。
「ん?どうした。」
「ヒェッ?!い、いや?!なんでもあり、ございませんっっっ!!!!」
「あ、ああ…。」
とてもそうは見えないんだけど…。
熱でもあるんじゃないか?と首を捻ったが、どうやら既に復活したらしい委員はそれに全力で否を唱えて、大慌てで報告の続きをし始める。
それを聞きながら俺はふと、どうして自分がこんな状況になったのか考え始めた。
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