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【解説】
これは赤ずきんちゃんの登場人物、オオカミ目線で書いた作品です。もしもオオカミが赤ずきんちゃんに恋心を抱いていたとしたら...。
この作品のいくつかの部分を解説します。
1、恵まれなかった姿=自分がオオカミであること
(赤ずきんちゃんに一目惚れしたオオカミは自分が、人間の姿だったら良かったのに、、と思います。そしてそれはいずれ、人間の姿をもつ猟師への妬みにも繋がります)
2、体が重い=猟師やおばあさん、赤ずきんちゃんにオオカミは石をお腹に詰められる
(石を詰められたことによる、物理的な体の重さ。それから好きだった赤ずきんちゃんにも石を詰められてしまった精神的な身体の重さ。)
3、僕とひとつになって=物理的な合体
(赤ずきんちゃんとずっと一緒にいるにはどうしたらいいか考えたオオカミ。自分がオオカミの姿という時点で恋は実らないと悟った。そこでオオカミは赤ずきんちゃんを食べ、ずっと離れないでいようという発想に至ったのです。)
結果的にオオカミは赤ずきんちゃんと1度、ひとつになることが出来ましたが、猟師によって再び引き離されてしまいます。
さて、オオカミはどう思うでしょうか。
猟師に助けられた赤ずきんちゃんは、猟師に恋をするかも知れません。自分の計画を邪魔した猟師。ましてや、自分にはない「人の姿」をもった猟師。
きっとオオカミは猟師のことを許さないでしょう。
つまり、1番最初の「どこにいますか?」は離れてしまった赤ずきんちゃんに対してではない...............かもしれません。
ダメよ、オオカミ。
あなたが猟師にかなうわけない。
もう追ったりせず、身を引きなさい。
復讐なんて考えないで。
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