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“シュポン”
との効果音とともに、リナから次のメッセージが届いた。
『頼みがあります』
『なんだろう。俺にできることであれば』
この後には『もう一度会いたい…』と続くのだろうか。
期待に胸を膨らませながら、次のメッセージを待つ。
『コンビニに行って、プリペイドカードを5万円分買ってきてもらえませんか』
ん?このメッセージの意図はなんだろう。
リナはお嬢様だったから、お金に困ってるなんてことはなかったはず。
でもあの後、御曹司と別れてたとしたら…。もしかしたら、リナの実家の命運を賭けた御曹司との政略結婚が失敗に終わり、リナの実家は没落してしまったのかもしれない。
それで今はお金に困って…。
---俺は、そんなお金のない彼女でも、付き合っていけるのか?
ふとそんな不安が胸をよぎった。
でも、好きになったのは彼女の家柄じゃない。彼女そのものが好きなんだと、そう思い直し、次のメッセージを考える。
『分かった。5万円で足りるかい?』
『では、5万円のカードを2枚買えますか』
正直、“ありがとう”という言葉を期待していたけど、何だかあっさりと“では…”と返されてしまい、拍子抜けする。
でも、彼女のためだ。
俺は、“いいよ”と返信した。
そして、その次に、さりげなく“いい人アピール”を付け加えた。
『困ってるキミの力になりたい。
俺は次に何したらいい?』
『プリペイドカードを買ったら、後ろのパスワードの部分を写真にとって送ってくれますか』
『そんなことしなくたって、会って渡すよ。 俺も久しぶりにリナに会いたいしね。キミの力になりたいんだ』
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