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何度かそう伝えたけど、リナは『急ぎます』と粘り、俺もリナとヨリを戻す前に揉めるのは得策でないと考え、リナの言う通り、写真を撮って送ることにした。
---そうと決まれば、プリペイドカードを買わなくちゃ…。
寒空の元、深夜のコンビニに向かう。
確か、銀行口座に今月の給料がそのまま残ってたはずだから、10万円はなんとかおろせるだろう。
会社がブラックすぎて遊びに行く暇もないので、使うことも少なく、少ない給料ながらも、ありがたいことにその金額でも暮らしていける。
コンビニについた俺はATMでお金を下ろすと、リナに指定された〇〇ペイのプリペイドカードを10万円分手に取り、レジに向かった。
俺がレジにカードを出すと、レジにいた小太りでニキビ面のキモいおっさんが、使い道を尋ねてきた。
「彼女を救うためだ。LINEで彼女が助けを求めてきた」
キモオヤジには、俺の崇高な意思が伝わらなかったらしく、“ふげっ”と、変な声を出すと、レジの奥に引っ込んでいった。
「なんだよ。アイツ、使えねーな」
そう思っていたら、レジからキモオヤジをさらに一回り大きくしたような、メガオヤジが出てきて、俺に告げた。
「あー、兄ちゃん。それ、絶対詐欺だわ。
彼女、LINE乗っ取られたんと違う?」
おしまい
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