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最初の頃こそ、そこそこの単価で受注もできたものの、徐々に単価の低下やコンペ方式での発注になったりなどがあって、仕事をしても収入に結びつかない生活が始まったりする。
これはまずい・・・と、副業に何かバイトをしようと思い立つに至った。
バブルも崩壊して数年の頃で、大学卒業した同窓生でさえ就職ができないような世間の状態で・・
高卒で叩き上げでやってきた俺はバイト1つ見つけるのも苦労するようになった。現実、地元に帰ってきて頃の求人倍率みたいのものでいえば、知り合いの電子機器系の内職を請け負ってる人が1名のパートさんを募集した際には、なんと100名の応募があったような頃で・・
ましてや、本業でのデザインの仕事も受注することもあるので、フルタイムで働くのも難しいような男をすんなりと採用してくれる奇特な会社はなかった。
数か月探し求め、隣の市の複合娯楽施設にあるカフェの求人を見つけた。
中学生の頃から厨房に立ち、料理をするのも好きだった俺は、カフェの厨房スタッフをやってみたいと思い応募してみた。
数日後、面接してもらえるとの連絡をもらい、その施設へと向かった。
「実はもう採用する人が決まっちゃって・・・」
面接を始まった瞬間にそう言われた。
いやいや・・・なら、電話をくれてもいいじゃないかと・・・
一応、そこまで向かうまでに40分ほどかかるわけで・・
まだ田舎なので電波の入る場所が少ないとはいえ、携帯電話も一般的になってきたご時世ですよ。
お互い無駄な時間を過ごす必要はなかったんじゃないか・・とわりと顔に出る感じで心に滲ませていた。
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