3/3
前へ
/5ページ
次へ
厨房の湯気と店内の煙草の煙、店員の罵声と客の駄話。 ありふれた毎日がいつまでも続くと思っているのに、 運命に簡単に裏切られる。 独り暮らしの安アパートには誰も待つ者はいない。 ジャージ姿でくつろぐと、隣の部屋で夫婦喧嘩の声。 何も変わらないことが日常なら、心を掻きむしるこの疼きはなんだ。 世間の常識に飼いならされたゾンビは、逞しい野良猫。 あの女学生のように、清く強く生きられたら。 果たせない約束をいつまでも待ち続ける夢人のように。 今日も明日も生きてゆくことに罪があるのなら、誰も償いなんてしないだろう。 9dbb8081-0f9e-405e-800d-1beafcb9afe4女学生と花吹雪
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加