最前線報告書

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最前線報告書

ドドーン!! ズズーン! バリバリバリ! チーン! 「軍曹殿!」 「敵軍の火線が集中しています!」 「ひるむな、撃ちまくれ!」 「次弾装填!弾倉をくれ!」 「軍曹殿!」 「もう弾薬がありません!」 「かまわん!」 「足元にあるもの、なんでいいからぶつけろ!」 「士気で負けたら死ぬだけだぞお!」 ポイポイポイ! 「ああ!」 「そんなアホな!」 「どうした二等兵!」 「もっとよく観測しろ!」 「信じられません!」 「敵兵がわが軍が投擲したジャガイモなどの食料を」 「泣きながらかじっています!」 「そんな馬鹿な!」 「あれ?」 「良~く考えたら、わが軍も交戦が続いて食事とってないぞ?」 ぐるるる・・・ 「軍曹殿!」 「自分も腹が減りすぎてて戦意が疲弊しております!」 「え~い構わん!」 「腹が減っては戦が出来ん!」 「敵軍が投擲してきた食料を喰え!」 むしゃむしゃむしゃ お~いおいおい・・・ 食事をとる事も忘れて戦いに明け暮れた両軍陣営は戦争を忘れて、互いに投げ合った食料を、 泣きながらほおばった。 その日のディナーは、両軍の異文化料理のフルコースだった。 憎み合った対立は、楽しいダンスと料理の異文化交流になった。 人を殺すより、仲良く飯を喰ったら、争いなんて忘れるよね?
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