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完璧すぎる家庭教師の欠点とは・・・・
アリアナ「だ、誰よ・・・・彼・・・」
アリアナは、顔を真っ赤にしながらリアルを見ている。
どうやら、容姿と佇まいが美しいリアルを見て、あっという間に心を奪われたようだ・・・
リアルはアリアナのほうを振り向く。
ドキッとするアリアナ・・・・
リアル「アリアナ・メイソン様 年齢18歳 身長165cm 体重48キロ メイソン家の長女で御父上は
学校の理事長、成績は国語が群を抜いてクラスで1位、常に90点台を取っております。他教科は平均点、趣味は他高校から容姿の優れた男性を探すこと。」
え?なんで、リアルはこんなにアリアナのこと知ってんの?まるでAIみたいに情報解析してるじゃん。
アリアナ「わ、私のことそんなに調べてくれたんですか・・・?」
そして、なんでアリアナはこんなに嬉しそうなの? 普通こんなに個人情報知られてたら気持ち悪くない?
リアル「私はエマお嬢様の家庭教師です。エマお嬢様の成績向上のために、お嬢様の周辺環境についても事前に情報を収集しております。ご学友のことから、教職員の方々の趣味・性格、校舎の塀の高さまで・・」
その情報、必要?
アリアナ「あ、あなた・・・この子の家庭教師なの・・・・?」
リアル「エマお嬢様、もうそろそろ朝礼の時間でございます。お急ぎください。」
エマ「え?あ、ちょ・・・・」
そう言うと、リアルはエマの手を引っ張り、先を急いだ。
アリアナはポ~ッとしたまま、先を走る2人を見つめていた。
学校に着き、教室に入ると、まずリアルを見て、多くの生徒たちがザワザワする・・・・
見かけない人だな・・・すっごい美少年・・・・新入生?
男子も女子も、口を揃えてリアルをそう噂する・・・・同時に見とれてもいた。
そして、こんな声も・・・・・
「あんな、素敵な坊ちゃんが、なんでエマの隣にいるの?」
「お付き合いしてる殿方かしら?」
「まさか(笑)」 「どうやら、お付きの家庭教師らしいですわよ。」
「あんな素敵な殿方とミス・エマが巡り合うなんて世にも奇妙な物語ですわ。」
余計なお世話だ。私も一緒にいたくているわけじゃない!とエマは心の中で思いきり叫んだ。
リアルは、とにかく何でもできた。
学校の先生「じゃあ~ここの問題をエマ、答えてみろ!」
エマ「は、はい・・・え~と・・・」
タジタジするエマ・・・・・・
リアル「X2条×Yでございます。」
急に先生にあてられて、慌てるエマにソッと答えを教えたり・・・・
他の授業では・・・
「エマお嬢様、今のところ理解できましたか?」
「え、今なんで私が理解できなかったってわかったの?」
「表情です。エマお嬢様は内容が理解できなかった場合、約6分の5の確率で、どの教科でも口が開いております。」
わかっていない箇所をズバリ当てたり・・・・・
体育の授業の際も、体操で誰もできないような大技を軽くやってのけた。
なんで、こんなに何でもできるの?
「ほんと完璧」 「素敵~」 女子からは黄色い歓声も上がったが・・・
やはり、すました顔でなんでもクールにこなすリアルは男子生徒からしたら気に食わないようだ。
急にやってきて、一日にして女子生徒の人気を集めたリアルは「なんだ、あいつ」
と思われているだろう・・・・
ビジュアルが完璧なのも男子生徒からしたら腹正しいだろう・・・
ー昼飯の時間ー
エマはクラスにいるのが、いたたまれないから、いつも屋上で1人で弁当を食べているのだ・・・・
だが、今日は1人ではない。
エマ「ちょっと昼食まで付きまとわらないでよ。」
リアル「しかし、ご両親から学校でも1人にさせないようにと仰せつかっております。」
エマ「ふん、過保護な母親、ほんとに嫌になってくる!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エマ「いい?話しかけないでよ!学校じゃ昼食しか癒しの時間がないんだから・・・」
リアル「承知いたしました。」
リアルは相変わらず無表情で言う事を聞く。
エマはイヤホンをつけて、オタクの世界に入ろうとする。
だが、全く動かずに突っ立っているリアルが気になってしょうがなくなった。
エマ「あなた、ご飯食べないの?」
リアル「・・・・・・・・・・・・」
エマ「いや、今は私が質問してるから答えていいのよ」
リアル「はい、職務中は食事の摂取は控えております。食事は人を眠たくさせます。睡魔はパフォーマンスに影響しますので・・・」
エマ「は?そんなんでさ、午後から力出るの?」
リアル「人間は一週間食事を摂取しなくても問題はないと聞いております。ですので私のパフォーマンスに問題はありません。」
エマ「何、それ?」
エマは鼻で笑う。
ったく、しょうがないな・・・・断食させてこのまま立たせているわけにもいかないし・・・・
エマはフォークにウインナーを差して・・・・・
エマ「食べる?」
リアル「いえ、結構です。私は、後で食べます。」
エマ「いいから、食べなさいよ!あんたまだ15歳でしょ?その年で断食なんてするもんじゃないわ。」
とことん、可愛くないやつ・・・
リアル「ですが・・・・」
エマ「これは、お客の命令よ!」
何やってんだろ・・・・私・・・恋人でもないのに・・・・と自分の行動を振り返り赤くなるエマ・・・
リアル「では失礼します。」
リアルは無表情で、エマから手渡されたウインナーの刺さったフォークを持ち、パクリと食べた・・・・
モグモグ・・・・
か、可愛い・・・・・いつの間にかそう思ってしまうエマ。
リアル「いただきました。ありがとうございます。」
エマ「あなた、何であんなに何でもできるの?」
リアル「はい?」
エマ「だって、勉強も運動も全て完璧にこなしてるじゃない?私たちより年下なのに・・・」
リアル「先生方がおっしゃられていることを脳内でデータ化し、イメージし、それを身体で表現しているだけです。」
エマ「簡単に言うけどさ。それが出来たら苦労しないのよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エマ「あなたみたいに無表情で淡々と何でもこなせる能力があったら、どんだけ楽だか・・・・」
リアル「無表情?」
エマ「そう、あんたは表情がないのよ・・・」
リアル「表情がない?・・・・表情がないとは、どういうことはですか?」
こいつ、ふざけてんの? 表情がないという意味が分からないって、こっちの方がどういうことよ。
エマ「え?だから感情がないってことよ・・・」
リアル「感情・・・・・」
エマ「まさか、あんた感情って言葉を知らないの?」
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