〜1〜偽りの自分

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「うるさいなあ、、確かにそうやけども」 「あんたは心配しすぎや、郁人」 確かにその通り、心配しすぎやと思う。 まあ、それも無理もないんやけどな。 郁人の両親が、3年前に亡くなった。 郁人のご両親とは、仲も良くて、一緒にご飯も食べたりした。 ご両親は、優しいし、頼れる人やった。 でも、2人とも、何者かに殺されてしまった。 「また、親みたいに誰かを失うのは嫌なんだ。」 「ましてや、僕を助けてくれた人は尚更。」 正義感が強いのはいいけど、強すぎるのもなあ、、 あーちゃんみたいな感じではないな、、 どっちかっていうと蒼杜みたいな感じか、 「あー、はいはい、分かった、」 「気をつけますゆえ、」 って、とりま言っといたらなんとかなるっしょ、 郁人にも迷惑はかけられへんのよ、ほんまに。 「ねえ、流来、」 郁人に呼ばれたから、顔を上げた。 「え?何?」 「俺にもさあ、その復讐手伝わせてくんね?」 「きっと、真犯人が見つかるはずなんだ」 「親の事件の真犯人も」 「はっ、?何言ってんの?」 「気でも狂ったんか?やめた方がいいで」 ほんまは参加して欲しくないねんな、 もうこれ以上、私のことで誰かが傷つくんはみたくないから。 郁人も、あーちゃんも、傷つけられるなんて耐えられへん。 「俺は、本気で流来を守りたい。」 「流来はどう?誰か、守りたい人っている?」 守りたい人、、か、、 本来は、守りたい人のために復讐をするんやろうけど、 生憎、守り人は、もう誰もこの世におれへん。 悔しい、苦しい、悲しい。 「…おった、のほうが近いな」 「でも、2守られへんかったんや」 「やから、もう、目の前でいなくなんのは嫌やねん」 誰も救われへん、それが分かったからこそ、手伝って欲しくない。 結局、郁人が傷つくだけになってまうかもしれへんし… それが何よりも怖い。誰かが傷つくのは、もう見たくないねん。 「じゃあ、流来はどうしたい?」 「復讐したいか、それともこのまま終わらせるか。」 「俺は、必ず、親を殺した奴を見つけだす。」 「それまでは終われないんだ」 そう言う郁人の顔は、何かを覚悟したような顔をしていた。 ああ、私には、覚悟が足りひんかったんや。 そう気付かされたんや。 「私は、_____したい。」 「もう二度と、目の前で大切な人を失いたくない。」 「やから、郁人にも協力して欲しい。」 覚悟は決めた。もう何も恐れるもんはない。 きっと李愛も、玲奈さんも、克樹も、それで見守ってくれてるはずや。 ちゃんと、しっかりやらないと。 もう、がここにいるんやから。 ___________________________________ ・荒川郁人(あらかわ いくと) 流来の味方 何者かに両親を殺された 両親を殺した犯人を探している
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