ファミレス1

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

ファミレス1

bとWは比較的空いているファミレスの席に座っていた。 b君『なにを注文するW?俺はお昼食べたし、チョコ大福も食べたからアイスココアにする。』 Wさん『私も同じアイスココアで』 b君 『料理は注文しないのか?』 Wさん 『チョコ大福がお腹を満たしたのは、事実だけど、本当は4時に早めの夕ご飯を食べるための時間稼ぎ。』 b君『(スマホを取り出し画面を見る)今が2時半だから残り1時間半か。ちょうど映画の本編の時間にぴったりだ。』 Wさん『2時間半の映画もあるからぴったり当てはまらないよ』 b君『そうだな。それもそうか。  残りの時間はどうする?俺何も持ってきてないよ。遊び道具。トランプもカードゲームも』 Wさん『じゃあーおしゃべりしよう。内容は。・・・そうだ!中学時代の話にしよう。』 b君『そんなに中学時代印象に残る話持ってないよ。俺』 Wさん『なんでもいいよ。くだらない話でも大歓迎。』 b君『なら一つある。ココアが出されたら始めていいか。』 Wさん『いいよ。じゃあ店員さん呼ぶ。』 Wが店員を呼ぶボタンを押し、店員がやってきて2人はそれぞれ注文した。5分後、2人分のアイスココアが運ばれた。 Wさん『それじゃあお願いします。』 b君『じゃあいくよ。俺が中二の時、夏休みの部活の合宿の出来事だ。Aは知っているな。』 Wさん『知っているよ。bと一緒に連んでいるところを見るし、たまに私の教室にも来るから。』 b君『そのAが合宿先でちょっとした事件を起こしたんだ。』 Wさん『Aはやらかしたんだ。毎度。』 b君『毎回トラブルを巻き起こすわけじゃないけど、起こしてしまうんだ。Aの奴は。話を合宿に戻す。Aは先輩達を驚かすため夜中、布団のシートを被って先輩達が寝ている部屋に向かったんだ。その途中、見回りしていたコーチに遭遇した。』 Wさん『それは一大事だ。(微笑み)』 b君『(口で笑い声を堰き止める)・・・その後シートを被ったAを本物のお化けと信じたコーチは大声をだして逃げてしまった。Aも大声を出してその場から離れた。その悲鳴はすごく大きくて全員が起きて辺りが騒然とした。』 Wさん『コーチも逃げて、Aも逃げるんだ。(笑む) 笑った。』 b君『(思い出し笑い)その後なんだけど、翌日コーチは本当のお化けが出たと、みんなに教え回ったんだ。コーチ以外の部員はAの仕業と知っているのに。その日以来コーチはおばけに会ったことを毎度俺たちや顧問に話すんだ。耳がタコになるほど聞かされたよ。』 Wさん『お化け信じちゃうんだ。コーチ可愛いな。大人はお化け信じなさそうなのに。』 b君『今は全然会っていないけど、基本は熱血だけど意外に単純なんだ。(アイスココアを一口飲む)』 Wさん『Aはどうだった。その後?』 b君『Aはその後何も知らなかったように平然と合宿に取り組んでいた。多分本人にとって触れたくなかったんだな。Aはお調子者だけど、恥ずかしがり屋なんだ。』 Wさん『Aにとっての黒歴史だな。(微笑む)』 b君『俺の話は終わったよ。次はWだ。お願いします。』 Wさん『いいよ。私が話すのは(アイスココアを一口飲む)好きだった人の話。』 b君『・・・俺に話してもいいのか?』 Wさん『昔の話だから大丈夫だよ。そう緊張しなくても気楽に聞いてくれればいいよ。』 b君『分かった。始めていいよ。』 Wさん『じゃあ始めるよ。私がb君がちょっといいかなと思っていた頃の中学時代の話からね。』
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!