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「ああ、よく来てくれた」
あたしの挨拶に頷きながらそう応じて、先生はお姉ちゃんへ視線を移し小さく会釈をしてみせた。
「はじめまして。夢愛の姉の泉仍です。よろしくお願いします」
「まぁ、上がってください。穂奈江には、一通りの説明はしてあります。今の症状が改善されるなら、できる限りの協力はするそうです」
あたしが除霊をするのに、どうしてお姉ちゃんに話をし始めるのか。
それに、言葉遣いが違くなるのもなんだか釈然としないなと、そんな不満が胸に湧き出たが、あたしはグッと自制した。
「先生、先に言っておくけど、たぶん十分もかからないで仕事は終わると思うから、そんなに深刻にならなくても平気だよ。穂奈江さんも、特に気を張るような場面はないと思うし、せいぜいちょっとだけ息苦しくなるかもしれない程度かな」
主導権をあたしの元へ手繰り寄せようと、お姉ちゃんへ移ってしまいそうになっていた先生の意識をこちらへ誘導するよう話しかけながら、玄関のドアを潜る。
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