ソラリの告白

1/2
前へ
/101ページ
次へ

ソラリの告白

 真子は空吏(ソラリ)が片言を喋り始めると、休日に家族で玩具屋へ出かけ、絵本と文字パズルを買い込んで遊ばせ、『おりこうさん』だと将来に期待して心躍らせる。 「ママって呼ぶのも早かったし、きっと賢い子になるわ。医者か学者になって、豪邸に住んでたりしてさ」 「うん、まー、そうだね」 「ハルキ、その気のない返事なんなの?まるで私が親バカの教育ママみたいじゃないか」 「そ、そんなつもりはないよ」  この頃、遥希は真子から注意される事が多くなり、空吏(ソラリ)のキョトンとした赤ちゃんらしさ、ママに甘える泣き顔を見て心の中で呟く。 『マコ、そうじゃないよ。僕はソラリがもっと凄いのを知っている。ママが会社に行っている時はオモチャなんて見向きもしないから』  そして空吏(ソラリ)は2歳なり、2026年6月16日火曜日、雨の昼下がりに遥希は秘密を明かされ、驚愕の日々を過ごす事になったのである。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加