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ソラリの告白
真子は空吏が片言を喋り始めると、休日に家族で玩具屋へ出かけ、絵本と文字パズルを買い込んで遊ばせ、『おりこうさん』だと将来に期待して心躍らせる。
「ママって呼ぶのも早かったし、きっと賢い子になるわ。医者か学者になって、豪邸に住んでたりしてさ」
「うん、まー、そうだね」
「ハルキ、その気のない返事なんなの?まるで私が親バカの教育ママみたいじゃないか」
「そ、そんなつもりはないよ」
この頃、遥希は真子から注意される事が多くなり、空吏のキョトンとした赤ちゃんらしさ、ママに甘える泣き顔を見て心の中で呟く。
『マコ、そうじゃないよ。僕はソラリがもっと凄いのを知っている。ママが会社に行っている時はオモチャなんて見向きもしないから』
そして空吏は2歳なり、2026年6月16日火曜日、雨の昼下がりに遥希は秘密を明かされ、驚愕の日々を過ごす事になったのである。
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