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その一件で、加賀先生は自分から学校を辞職した。
「なぁ、斗希、本当にお前加賀に襲われたのか?」
そう訊く篤に。
「そうだよ。20代半ばで、仕事ばかりで彼氏も居なさそうだったし、色々たまってたんじゃない?」
その俺の言葉に、篤は信じてないのか、眉間を寄せていたけど。
それ以上は、何も訊いて来なかった。
他にも、俺達のグループを目の敵にしてる中年男性の教師が居たのだけど。
ムカつくから、学校の駐車場に停めていたそいつの車を、バッドでめちゃくちゃにしてやった。
そうしたら、凄く大問題になったのだけど、
それもいつかの松村への暴行の時と同じように、父親がお金で解決してくれた。
世間体を気にする父親がなんとかしてくれるだろう、と見越しての行動だったから。
そうやって、父親を困らせる事も、楽しんでいた。
そんな風に、俺が関わって表沙汰になった出来事はその三つだけで、
公にならなかった事も沢山あった。
後、変わったのは、女性と付き合うようになった。
あの夜迄は、好きでもない女と付き合うなんて考えられなかったけど。
寄って来た女の中で、ある程度顔が良ければいいか、と、とりあえずで付き合うようになった。
そして、初めて出来たその彼女は、処女で。
円さんは、処女ではなかったな、とその子と比べて思った。
処女、ってこんな感じなんだ、と、
その彼女の部屋のベッドで、俺の下で痛がるその子の顔を見ていて思う。
そして、その痛がる様に、なんとも言えない快楽を覚えた。
それをきっかけに、一種の遊びなのか。
処女だと思うような女と付き合っては、それを奪ってすぐに別れて、みたいな事を繰り返してた時期があった。
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