2672人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜は、斗希がパスタを作ってくれた。
本当は今日の昼パスタにしようと、
夕べ買い物をしていたみたいで。
今日の朝も、サンドウィッチを作ってくれていて、
ブランチとして、私の実家へと行く前に二人で食べていた。
「斗希って、夜寝てる?」
夕食後、キッチンで洗い物をしている斗希に尋ねた。
「何、その質問?」
そう笑う目は、クマもないのだけど。
ただ、毎日遅くに帰って来て、
けっこう遅く迄起きているみたいだし、
朝なんか何時に起きているのか知らないけど、
私が起きる頃には、スッキリとした顔で、いつも朝食の準備をしている。
「俺、四時間くらい寝たら、充分だし。
休みの日は、けっこう昼間寝てる。
ほら?結衣、仕事だから知らないだけで」
そう言われ、この人もそうやって休みの日は、だらだらとしているんだな、と少し不思議な気分。
「今日、ごめんね。
せっかくの休みだったのに」
私の実家迄の、遠い道のり。
それに、こうやって朝も夜もご飯の用意をさせて。
休日に、疲れてるんじゃないだろうか?
「今日、楽しかったよね」
そう笑顔で言われ、楽しいだけじゃなかったけど、
全体的には楽しかったか、と、私も笑顔で頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!