結婚指輪

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その日の夜は、斗希がパスタを作ってくれた。 本当は今日の昼パスタにしようと、 夕べ買い物をしていたみたいで。 今日の朝も、サンドウィッチを作ってくれていて、 ブランチとして、私の実家へと行く前に二人で食べていた。 「斗希って、夜寝てる?」 夕食後、キッチンで洗い物をしている斗希に尋ねた。 「何、その質問?」 そう笑う目は、クマもないのだけど。 ただ、毎日遅くに帰って来て、 けっこう遅く迄起きているみたいだし、 朝なんか何時に起きているのか知らないけど、 私が起きる頃には、スッキリとした顔で、いつも朝食の準備をしている。 「俺、四時間くらい寝たら、充分だし。 休みの日は、けっこう昼間寝てる。 ほら?結衣、仕事だから知らないだけで」 そう言われ、この人もそうやって休みの日は、だらだらとしているんだな、と少し不思議な気分。 「今日、ごめんね。 せっかくの休みだったのに」 私の実家迄の、遠い道のり。 それに、こうやって朝も夜もご飯の用意をさせて。 休日に、疲れてるんじゃないだろうか? 「今日、楽しかったよね」 そう笑顔で言われ、楽しいだけじゃなかったけど、 全体的には楽しかったか、と、私も笑顔で頷いた。
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