結婚指輪

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斗希は唇を離すと、また重ねて来て、 そうやって触れるだけのキスを何度か繰り返した後、 私の口の中に舌を入れて来た。 その舌が、私の舌に絡まる。 その気持ち良さに、頭の芯が痺れて来て、 足に力が入らなくて、その場に崩れ落ちるように座り込んでしまう。 斗希も同じように床に膝をつき、 そのまま床に私の体を押し倒した。 そうやって、暫く深くキスをしていたけど、斗希からそっと唇を離した。 「さっき、床掃除しといて良かった」 そう言って、私の顔の横辺りの床を撫でている。 床もそうだけど、本棚も掃除が行き届いていて、ホコリ一つない部屋。 「綺麗だけど、背が痛い」 「じゃあ、ベッドへ行く?」 私の言葉に、斗希は笑いながらそう提案してくる。 横を見ると、そのシングルベッドが目に入る。 「うん…」 私が頷くと、斗希が私から体を離した。 私が体を起こすと、 私の手を斗希が握る。 手を繋いだまま、私達はそのベッドの上へと行く。 ベッドの上に座り込んでいる、私と斗希は、照れ臭くて、目を合わせて笑う。 どちらとともなく、引き合うようにキスをして、 私はベッドへと押し倒された。 先程よりも、私の体に斗希の体重が掛かる。 その重みに、安心してしまう。
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