不穏

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「―――川邊専務のお酒の中に、薬を入れました。 だから、川邊専務は理性を失って…。 あの晩、私と川邊専務は関係を持ちました。 先程も話したように、それを脅しにして、斗希に結婚を迫りました。 ごめんなさい! 私、川邊専務の事を利用したんです! つまらない斗希に対しての復讐心の為に…」 言葉にしていると、自分のしてしまった事がとんでもない事なのだと、改めて思わされてしまう。 斗希に対する復讐の為に、 この人達をこんな風に巻き込んで。 なんで、こんな事をしてしまったのだろう。 「結衣さん…。 あなたと斗希さんに何があったのかは知らないし、それ迄を知ろうとは思わないです。 ただ…、その音声にあるように、 篤さんがあなたに酷い事をしたのだとしたら。 それは、私からも謝ります。 ごめんなさい!」 梢さんの目から、涙が溢れていて。 何故、この人が私に謝っているのかと、 混乱してしまう。 「私、これを聞いても篤さんの事が大好きなんです…。 だから、別れたくない…。 結衣さん、ごめんなさい…。 篤さんがあなたに酷い事をして…。 私も、篤さんと一緒に謝るから…」 なんで、この人の方が私に謝るの? だって、私が川邊専務を罠に嵌めたのに。
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