もう一人の復讐者

12/21
前へ
/268ページ
次へ
「ある条件ってのは、18歳未満の子。 俺も詳しいわけじゃないけど、AVって、18歳以上の子じゃないと出たらいけないみたいで」 「なら、私、出られないんじゃ…」 そう言った私に、一瞬、斗希さんは頭悪いな、と言いたげな視線を向けたけど。 次の瞬間には、また困ったような表情を浮かべていた。 「寧々ちゃんには、18歳以上のふりして、出て欲しい」 「そんなの、すぐにバレますよ」 そう言うけど、どうすぐバレるのかは、分からないけど。 現在、私は16歳。 早生まれで2月生まれの私は、まだ16歳になったばかり。 「奈々ちゃんのふりして欲しい」 「お姉ちゃんの、ふり…」 幼い頃から、嫌になる程迄に言われた、 私と姉が瓜二つだと。 けど、最近は、姉は素顔が分からない程の、コテコテの濃いギャルメイクをしていて、あまり似ていないけど。 「奈々ちゃんの写真付きの身分証と、篤からの紹介があれば、その社長も絶対に疑わないと思う。 18歳以上だと安心して、AVに出す」 そう言われ、姉は原付の免許を持っていた事を思い出した。 車も、近いうちに取るとか言っていたけど。
/268ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2663人が本棚に入れています
本棚に追加