双子の姉妹

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僕らは双子。ミランダとカミル。 私、ミランダは緑のリボン。 僕、カミルは赤のリボン。 私たちは双子。お互いのふりしてよく遊ぶ。 姉のミランダは優しくて穏やか。 妹のカミルは明るく元気。 ミランダ、今日は僕が緑のリボンをつけるよ。 それなら、私は赤にするわねカミル。 今日はミランダ。明日はカミル。 今日はカミル。明日はミランダ。 二人は双子。ミランダとカミル。 ママもパパも気づかない。二人でひとつの双子姉妹。 同じクラスのリンクが言った。 「僕はどっちか知ってるよ。君はミランダ、君はカミル。今日はリボンが逆なんだね」 私は驚いた。僕も驚いた。 リンクは本を読んでばかりの静かな子。だけど本当はとっても不思議な子。 何度入れ替わっても、リンクにはバレてしまう。 もしかして、リンクは心が読めるのかも。 「どうしてわかるのかって? ふふ、秘密」 リンクの笑顔は僕と私をワクワクさせた。 それからは、僕と私とリンク。 いつでも一緒の三人一組。 とある日、大きなトラックがやってきた。 僕と私は引き離されて、ひとつの体が宙を舞う。リボンが真っ赤に染まってく。 二人でひとつの大事な姉妹。 だけど二人は一人になった。 片方だけ置いていくなんて、ひどい。ひどい。 黒い柩の花びらに、埋もれていく同じ顔。 そこにいるのは僕の姉? それとも私の妹かしら。 今日から双子は一人で二人。 次の日、私はリンクに言った。 今日はどっちがどっちでしょう! リンクは、困った顔で僕に聞く。 「……当ててほしいの?」 もちろんだよ。君と遊ぶのはいつだって、入れ替わりごっこだっただろう? 「……そうだね、カミル」 リンクは見もせずに答えた。 正解。さすがだね、リンク。 今日はカミル、明日はミランダ。 今日は赤、明日は緑。 二人は双子。二人でひとつの双子姉妹。
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