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「──っ、…はひゅっ、けほっ…けほっ、…」
むりやり飲み込んだ息が胸のあたりであばれて、咳がでる。
くらくら、じくじく。
あちこちが痛くて、体を小さくして耐えるけど、なんでか目の前がゆっくり暗くなってきた。
ねむったら、こわいこと、されるかもしれないのに。
また、足を切られて、いっぱい血が出るかも。
知らないひとに籠から出されて、髪を切られたり、なぐられたり、羽根をむしられるかもしれないのに。
どうしても、起きあがって、きちんとお座りしていることができない。
咳きこんで苦しい胸が、ぎゅうっと締めつけられているみたい。
喉のおくに、なんでか血のにおいがする。
それをわたしは、夢のなかにいるみたいにぼんやり感じながら、真っ暗な籠のそとを見ていた。
──カツン、カツン。
誰かが、“出来損ない”の鳥籠がならぶここに、こようとしていたから。
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