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すると潮夏はグルっと横の千夏に向き直る。
「わ!運転…」
しかし運転席では既に初老の男性がレバーを握っていた。
「千夏様」
「あ、はい!」
急に呼ばれて驚いた千夏は、思わず姿勢を正して直立した。
「貴方様の状況、葛藤、お悩み、すべて潮時です」
「え?」
「潮引いて潮時」
潮夏が静かに千夏の手を取る。
「え、あの?潮夏さん?」
長身で姿勢の良い潮夏は、同じ女性なのにどこかの国の王子様のように輝いて見えた。
「さあ、そろそろご卒業くださいませ」
「卒業…?」
その時、一面のひまわり畑の中で走り回る少女の姿に気づく。
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