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「貴女の部屋はこっち。」
私は希美さんの後ろをついていった。階段を何回も上がって着いた。たくさんドアがある中の一つだった。どのドアも同じ見た目だから覚えられるかわからない。
「右側の部屋全部がのえるちゃんの部屋、自由に使ってね。」
覚える必要はなかったみたい。嬉しいけれどどうやって使ったらいいかわからない。今まで部屋なんてなかったから。
「何に使ったらいいかわかりません。」
正直に言った。やっぱり変に思われるかもしれない。そんな人いないと思うから。普通は素直に喜ぶものだから。
「あはは。無理に使わなくても大丈夫だよ。それに必要なものも増えるしね。」
良かった。けど必要なものってなんだろう。勉強道具と2着ぐらいあったら十分なのに。それ以外も欲しいと思ったことはあるけれど必要のないものは買えないのが普通だったから。
「今日はまだベットとかがないから私の物を使ってほしいな。いいかな?」
「ありがとうございます。」
断るなんて失礼なことはしない。むしろ嬉しいのに。嫌なことでも断れない。住ませてもらうのに失礼なことをしたら、後々どうなるかわからないから。
「服、持ってくるからゆっくりしててね。」
リビングに戻った私は初めてのソファでゆっくりしていた。そして、いつのまにか寝ていた。それで、クスクス笑われていたなんて私は知らなかった。
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