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「朝だよ、起きて。」
はっと目を開けると三人の美人な男女の顔があった。今日は体のどこも痛くないし、寒くない。そうだ、住ませてもらっているんだった。そしてここはソファの上、どうして…。昨日ソファに座ってからの記憶がない。もしかしてそのまま寝てしまったのだろうか?
「ごめんなさい。こんなところで寝てしまって。」
「いいよ、気持ちよかったんでしょう。」
「…知らね。」
「楽しませてもらったからいいよ。」
皆許してくれているみたい。けど、本当は怒っていたりして。申し訳ないや。聡志さんは怒っているみたいだし。このまま怒られたままだったらどうしよう。私の居場所が元に戻ってしまう。そう思うと今の居場所が好きになりつつあることがわかった。ちょっと恥ずかしい。
「さあ、今日はお店に色々買いに行くよ。朝ごはん係早くして。」
もしかしてここでは私も朝ごはんを作らないといけないのだろう。私は料理ができない。挑戦する機会すらなかったから。仕方がないと言ってくれるとは限らない。料理も練習しないと。
「待ってたらもうすぐでてくるよ。今日は聡志が作るから健康的よ。」
「まあ料理は僕が一番だけどね。」
皆料理が上手みたい。私がやっぱり迷惑かけることになるのかも。ごめんなさい…。先に心の中で謝っておく。
「できたぞ。」
希美さんが言っていた通り色々な食材を取り入れた美味しそうな料理が並んでいる。食パンに目玉焼き、サラダやフルーツなど、豪華で量も多そうなのに全て食べることができそう。今までなら食べることのなかった朝ごはんだ。
「手を合わせて、いただきます。」
皆で言って食べた。やっぱり食べれるかなと思っていたけれど食べれた。本当
に美味しい。料理人になれそうだと思った。
「のえるちゃんとっても嬉しそうな顔してる」
「…うそっ」
「恥ずかしがらないでいいよ。聡志の料理は美味しいもんな。」
やっぱり頷いてしまう。美味しいから。
「さあ、出発!」
「レッツらゴー」
四人で初めての外出。
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