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ガチャリと玄関の扉が開く音で目が覚めた。時計を見るとあれから二時間ほど経っていた。母さんだな。そう思って、毛布からはいずり出て玄関に迎えにいく。母さんは寝ぼけ眼の私を見て
「寝てたの」
と心配そうな顔をしたが、昼寝してたと答えれば、そう、とそれ以上何も言ってこなかった。
「どうだった?」
「学校は何も教えてくれなかったよ」
そう言って靴を脱ぐ。
亡くなった生徒の名前やその時の状況を教えてくれたが、肝心な理由などは教えてくれなかったらしい。
「結局学校は保身が大事なのよね。詳しいことは警察の調査が終わってからじゃないと言えないって言うのよ」
疲れたようにため息をついた母さんは、それよりも、とキッと私を見つめていった。
「亡くなった子、甲斐田佳代子ちゃんっていうらしいね」
「らしいね」
私がそっけなく返事をしたので母さんが顔をしかめる。
「なに? 」
「小学校からの友達だったんでしょ」
「友達っていうか……」
同級生以上友達以下といったところか。
「親友だったんでしょ?」
「……え」
予想外の言葉に驚いてしまう。
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