親友

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 ピンポーンパーンポーン  放送のチャイムが鳴った。 『緊急放送、生徒のみなさんは窓を閉め、カーテンを閉めて、教室に待機して下さい。先生方は至急職員室にご集合ください。繰り返します――』  教頭先生の低い声がした。いつも落ち着いている教頭先生だが、声は震え、早口だった。 放送が流れている中で、宮内先生は 「窓を閉めて! カーテンも!」 叫びながら自分でもカーテンを閉め、中庭が見えないようにした。 「先生は職員室に行くから! みんなは教室から出ないように!」 みんな基本的には先生たちの言うことは聞くいい子たちなので、駆け出して行った先生の言うとおりに、私たちは席に着いた。これ以上見るのも悪いという良心も働いたのだろう。  それでも急なことだったのでお互い顔を見合わせる。一体だれが身を投げたのか、なぜそうしたのか。こそこそと会話をしていると、廊下から足音が聞こえた。まさかこんなに早く帰ってきたのかと思っていたが、扉を開けたのは生徒だった。知らないクラスの女の子が駆け込んできて 「幸弘くん! 佳代子が!」 と大声で叫んだ。みんなが一斉に呼ばれた彼を見る。 数人が、あっと声をあげた。
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