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発売の数日前、見本誌が届きました。
正直、それだけでも感動しました。
私は地方住まいで、昔から本や漫画を買う時には公式発売日から数日経たないと本屋にお目当てのものが並ばないのです。子供の頃、特に楽しみな作品は「まだかなまだかな」と毎日のように本屋に行っていました。まるでストーカーです。
それが、発売日前に本がうちに届くなんて……!
「わぁ、ホントに紙の本になってる!!!
いつもweb上で、デジタルな私の作品が、印刷会社で印刷され製本されてこれから全国のトラック(たぶん)で流通され、各地の本屋に並ぶんだ!!
あれ、ていうか、私……トリ!!?」
ここでさらにびっくりしました。
校正の時のページ数と、他の5分シリーズからして、「最後から2番目かな~」と思っていたのです。
なんとなく、ミュージシャンのアルバムを思い出しました。オープニングを飾るにふさわしい曲、ちょっとトリッキーな曲、ダークな曲、いろいろな雰囲気の曲があって、もちろん全部素晴らしい。その中でもアルバムの最後を締めくくるにふさわしい曲(のような作品)、だと思ってもらえたのかもしれません。
もしかしたら都会のビルの一室で「この作品の青空のイメージで締めましょう」なんて発言が担当の方からあったのかもしれません(全部想像ですが)。
同じ作品に収録された作品も読ませていただきました。どれもこれも素晴らしかったです。それぞれカラーは違うけれど、いずれも短編映画のようにしっかりとした舞台設定、演出がされた雰囲気のある作品でした。そこに自分の作品も収録されたことに、改めて感謝しました。
そして──そこから少しの間、燃え尽き症候群のようになりました。
予想しない形で夢が叶ってしまった。ゴールはまだ先だと思っていたのに、気づけば通り過ぎていて、「あ、これでよかったんだ」と拍子抜けしたところもありました。
だけど。
数日経つと、書きたくなりました。書くのはしんどい時もあるけど、想像が形になっていくのは楽しいです。
そして「次はやっぱり単著で紙の本を出したい」と気持ちを新たにしました。
もちろんそれだけが目標のすべてではなくて、来年はまた妄想コンテスト皆勤したいし、今は自分が書きたい物語をどこの公募に出すあてもなく書いています。これはこれで楽しい。
今度は長編で嬉しい手ごたえが感じられるよう、またコツコツがんばっていきます。
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