噓とエッセイ#6『爆弾』

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 未だ続くコロナ禍は、少しずつ終息に向かっているとはいえ、私たちを家に押しとどめようと、躍起になっている。  馬鹿の一つ覚えみたいに、ステイホームが叫ばれた中で、人々は何をしたか。本を読んだり、テレビを見たり。SNSや生配信に夢中になったり。一向に効果の出ない筋トレに、取り組んだ人もいるかもしれない。  そんな中、暇を持て余した人々のオアシスとなったものの一つに、私は動画配信サービスがあると考える。Netflixに、Amazon Prime Video。HuluにU-NEXTやその他諸々、有象無象。  いくつもサービスをかけ持ちすることは珍しくなく、請求のメールが来るたびに「ああ、このサービスにも加入していたな」と思い当たる人もいるはずだ。というか、私がそうだ。  だけれど、私はあまり動画配信サービスで、映画やドラマを見たいとは思わない。私はⅰPadなどといったタブレットも持ってないし、もちろん、ホームシアターなんてこんちくしょうな成功者が持つ施設なんてあるはずもない。  スマートフォンの小さい画面で見るしかなく、あまり気分が乗らないのだ。例えるなら、せっかく展望台に上ったのに、霧が深くて景色が全く見えないといったような。普段、映画館のスクリーンで映画を観ることに慣れてしまっていて、スマートフォンでの鑑賞に満足できないのだ。  あと、基本寝転がっているから、途中で寝てしまう。
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