遺跡と銀の板

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 マナカさんと出会ってからしばらく経ったある日、 ボクはまた遺跡に一人で来ていた。 あの日のことをスケさんに話すと、信じてくれたかは怪しいけど、 随分面白がって聞いてくれた。  その時に遺跡にまつわる怪しい話もしてくれた。  『子供の頃に聞いたことある怖い話あるだろ?  魔法もない、モンスターもいない、別の世界から  キカイやらロボやらがやってきて襲ってくるっていうよくあるやつ。  ヤドの行ってる遺跡にもその手の話があってさ、  あの神殿には隠し扉があって、そこでキカイ仕掛けの神官が  異界のキカイロボを神様と崇めてるって話。真闇の夜に一人で  魔力の洩れないようにしてあそこに行くと、  同じキカイと思ってロボやキカイが現れるって話さ。  まあ伝わってるのは魔法の勉強をしない、親の言う事を聞かない子供を  脅かすための子供だましなんだけど、  ヤドの話を聞くと、ひょっとしたらほんとにキカイやロボのいる世界と  あの神殿は繋がってるのかもね。今度調べてみたら?』 酔っ払いながらスケさんは楽しそうに教えてくれたけど、  いやいやまさかね、なんて思いながらも、 遺跡に生えた薬草を採取するときに、 石の柱や床をつついたりしてちょっと調べたりしてしまっていた。  もちろん秘密の扉が開くようなこともなく、 なにもなくて終わるんだけど。  今日もついつい柱を調べたりしながら、 薬草も結構取れたんで帰り支度をしていると、 近くの柱が音も無く開いた。
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