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こういうアイテムって時々超空気を読んでくれないんだけどどうしてですかね?
「ふはははははは!ついに、ついに完成したぞ!」
ここは某田舎の町の一軒家。
妻がいないうちにこっそりヤバイ薬の研究を続けていた科学者は、自室で高笑いをしたのだった。
ついに出来上がったのである、どんなものにも変身できてしまう魔法の薬が!
「この薬があれば、俺はもう誰にも馬鹿にされない……最高のイケメンとして生まれ変わることができるのだ……!」
確かに、自分もそろそろ五十代半ば。随分なオッサンになってきたし、そもそも若い時からイケメンとは言い難い容姿で、結婚できたのが奇跡のようなものではあったが。
それにしたって最近の妻の態度の冷たさったらない。このままでは、本気で浮気されてしまうのではないかと毎日ハラハラのヒヤヒヤだったのだ。
しかし、この薬があればその不安ともオサラバできよう。
妻が思わず惚れ直して自分からベッドに誘いたくなるほどの超絶美青年に変身させてくれるはず。妻以外からももう二度と“あのクサそうで陰険そうなオジさん誰”なんて言われなくなるはずだ!
「見てろよおおお!さあ、俺の望みを叶えるがいい変身エックス!(薬の名前)」
俺はコップに注いだピンク色の薬に呼びかけた。この薬は、予め望んだものを唱えてから飲むことで効果を発揮するのだ。
「誰もが注目してやまない、デッカくて、超絶美形のイケメンしてくれ!」
そして俺はコップを持ち上げ、一気にその甘辛い薬品を喉の奥に流し込んだのだった。
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