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佐原先生を軽くあしらう様子を他の看護師達は見てざわめくのもいつものお決まりだ。それでも看護師達はざわざわとしている。
「また、佐原先生、瞳さんに振られたみたいよ!あの子は何で佐原先生みたいな先生に冷たく当たるのかね!私があと10若かったら間違いなくチャンスと思うのに!」
身体は小さくも頼れるベテラン看護師の小山田は腰に手を当てて首を傾げている。
「ほら、高井ちゃんはどう思うの!?瞳ちゃんと歳が近いんだし!」
「私だって佐原先生にご飯誘われたいですよ!あの人は私もよくわかりませんよ!」
「瞳ちゃんと話とかしないの?」
「全然ですよ!この間テレビでやってたボーイズグループ、トップ3についてはなしても全然だってし。」
「あの子はプライベートも謎よね。彼氏とかもいないのかな?…なんか…カマキリ飼ってるとか言ってたけど。」
「カマキリって飼うんですか?」
こんな会話もいつもどおりだ。聞こえていも聞こえなくても瞳はいつもと同じだった。
「…高井さん。」
「わっ、瞳さん!?」
「当直お願いします。この間搬送された患者さんが1名増えてますので。カルテを確認お願いします。」
「はい!」
「それではお疲れ様でした。」
瞳は今日も仕事の時間と私用の時間をきっちりと分けて去って行った。
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