4人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
寄生虫類
病室に横なっているのはこの間の事故で運ばれてきた聡だ。病院の生活が始まり少し経った彼はそのリズムを身体に刻みだしていた。
爽やかな長さの髪の毛は少し横になる事で癖が付き広がっている。アルミの包材に包まれた菓子類の袋とペットボトルのゴミが彼の部屋から出てくるのがよくある。
それを処理しながら、彼の健康状態を確認していく看護師。
「星野 聡さん。体調いかがですか?」
一番若い看護師の美波が部屋に入る。背も低く、大きな目は男性人気の要因だ。
「…は、美波ちゃん。」
聡は身体を起こす。聡の腕には筋肉の隆起が寝ていても残っている。高い鼻先や爬虫類の様なストレートで強い目は女性を虜にするのも難しい事じゃなくさせるようだ。
現に、美波も少し心を持っていかれかけている。
「どうですか?お変わりありませんか?」
「あぁ、大丈夫です。…あとどれくらいかかりそうですか?」
「そうですね、内臓へのダメージは心配されますので1ヶ月はかかりますね。」
「1ヶ月…長いな…。でも美波ちゃんが来てくれるなら、耐えれそうだ。」
聡の微笑みを美波は好意的に受け取り、自然と笑みで応えてしまう。
「…聡さん、面会よ!」
小山田さんが扉から顔をだす。小山田さんの後ろから出てきたのは、背の高いモデルのようなの女性だ。
最初のコメントを投稿しよう!