雑用パウロ

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 女弓使いはごみ溜めの上で目を回しているパウロの前に立つと、汚れた短剣を放り投げた。 「せいぜい生き恥を晒しな。3日生き残れれば褒めてやるよ」  パウロが咳込みながら立ち上がると、事務所の中では先ほどのモヒカンの声が響いていた。 「しぶといガキだったぜ。ここまで嫌がらせされても残ってるなんてバカなんじゃねーか」 「しょうがねえだろ。他に誰も雇ってくれない無能なんだし」 「それもそうかぁ」 「それにしても、見事な残党狩りだったな。さすがはゴメス隊長だぜ」 「じゃあ、新たなる門出を祝って…」 「かんぱ~~~~~い!!」  パウロは震える手で、葉巻を押し付けられたカリウスの短剣を握りしめた。  リーダーは自分と同じ孤児だった。多くの人々を悪魔の脅威から守り、自分のような戦災孤児を増やさないために命を削って戦ってきた。最前線で体を張り、共に戦って傷つき果てた仲間たちも同じだった。 「傍から見てる人間には…カリウスもゴメスも…同じにしか見えないのか…」
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