私が殺したアイドル

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私が殺したアイドル

 大学での生活は意外と地味だなあなんて思っていた。ドラマや小説でみた恋人ができて時間があれば会瀬を重ねるとか、サークルに熱中しすぎて講義をサボるなんて生活とは無縁の日々を過ごしている。 「へえ、頼子って堀岡高校だったんだ」 「そうだよ」 「堀岡って確か芸能科があるんだっけ?」 「うん。私は一般だったけど」  大学2年目の春を迎えたある日、私の所属する軽音楽サークルでは新入生歓迎会が開かれた。カラオケのパーティールームで、ノンアルコールとスナックを供に歌ったり演奏したり。サークルでの活動同様緩く穏やかに会は進行していった。 「じゃあ芸能人とか会ったことある?」 「校舎が違うから全然会わないよ。カリキュラムもほとんど違うみたいだし、行事も人気者程出れないし」 「そういうもんなんだ」 「あ、あの!」  高校時代の他愛のない話になったのは、新入生が自己紹介で出身校を述べたから。流れでそういえば頼子ってどこ高なんだっけって話になって、そんなことを話していたら他のテーブルに座っていた新入生が声をかけてきた。
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