0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
変身待ってます
クラスのアイドル、佐々木由紀からメッセージが届いたのは昨日の夜だ。
『箱崎くんのことが好きです。付き合ってください。変身待ってます』
なぜ知っている。
この俺が影で人々を守っているヒーローだってことを。
変身することで震度7の地震を震度5弱まで弱めたり、台風の進路を変えたりできるパワーを発揮できる。
その力で人々の平和な暮らしを守ってきた。
だが……最近ヒーローに敵対する悪の組織が活動している。どうやらこの国に混乱をもたらすべく派遣されたスパイのようだ。
すなわち佐々木由紀は俺の正体を知る人物であり悪の組織のスパイ……。
油断ならない相手だ。
こんな相手と付き合えるわけはない。
『ごめんなさい。俺には大切な人がいるから付き合うことはできない』
「これでよし、と」
箱崎は佐々木を振ってそのまま眠りについた。
そしてその翌日、事件は起こった。
最初のコメントを投稿しよう!