冬キャベツとベーコンのスープ

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「ドクさん、レゼナさんも感染ってしまったんですか?」 「いや、二人は今のところ体調の変化はない。ただ、感染ってるかもしれないから──アリシャ」 「はい」 「宿屋の個室をドク夫婦に貸してやって欲しい。エドから離して様子を見たい」  部屋を貸すことに異存はないが気掛かりなことがあった。 「もちろん部屋は使ってください。ただ、そうするとエドはどうなりますか? 一人で家に残るのですか?」  体調不良はそれだけで辛いのに、一人閉じ込められたらエドが見捨てられたように思わないか心配だった。  レオは一度目を閉じてから、ゆっくりと瞼を上げていき、アリシャを見つめた。 「これは単なる風邪ではない。エドは一人戦わねばならないが、エドならその必要性を理解するはずだ」  要するにエドだけはたった一人で隔離するということだった。レオを攻めるつもりはない。仕方がないとわかるが、どうしてもやるせない気持ちが膨らんでアリシャはテーブルの下で拳を握った。 「レオさん、エドは重篤な状態ではないんですよね」  ボリスの問いに、エドは体力があるからとやや的外れな回答をレオがした。しかし、思い直して言い直す。 「高熱が出ていて咳もある。体力があるから私は助かると思っておるよ」
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