夏の散歩風景

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夏の散歩風景

 ヤツはちっちゃいほんとにちっちゃいからは人が近づいても気にせず食事をして食べ終えてからのんびりと離れていく。傲慢にも思える無知さで生きている。ただそれが可愛くもある。  オマエぐらいののサイズになると逃げるスピードが何よりも速い。多分早めに逃げなければ襲われてしまうということを学んだのだろう。欲張らず謙虚なオマエらである。  問題は大きくなったアイツだ。アイツらは自分より小さいヤツたちが食べていた場所にも平気で入っていくし人が来ても逃げることも食べることもせず呑気に歩いて手を出そうとすると立ち向かってくる。無知ではない傲慢さがある。あまりにも尊大すぎる。  こんなことを溝にいたカニを見ながら成人になろうとしているのに未だに擬人化してみながら散歩をしている。
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