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【 告白 】
「浩二先輩……、卒業する前にどうしても言っておきたいことがあって……」
「何? 晴美ちゃん」
ふたりは、体育館裏でお互い向き合っていた。
晴美は、紺のプリーツスカートを握り締めながら、浩二に思い切って告白をする。
「私……、ずっと、浩二先輩のことが好きでした……。私と、付き合ってもらえませんか……?」
晴美は、恥ずかしそうに俯きながら震える声で、初めての告白をした。
浩二は、一瞬驚いた表情だったが、右手で頭を掻きながら、晴美にこう言う。
「お、俺なんかでいいの? あっ、実は、俺も晴美ちゃんのことが気になってて、告白しようと思ってたんだ。返事はもちろんOK。こちらこそ、よろしくね……」
部活終わりの夕暮れ、心地よいセミの鳴き声を聞きながら、ふたりの間に爽やかな夏色の風が吹いた……。
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少しベタな感じの恋愛小説ではあったが、実際に父と母はこうして付き合うようになったんだと思う。
でも、母の告白がきっかけで父と付き合うようになったというのは、少し驚きだった。
てっきり、父が綺麗な母のことを口説いたと思っていたからだ。
私はクスッと笑いながらも、その先を読み進めた。
そこには、父と母ふたりが、とても仲が良かったことを伺わせるラブラブな描写もあった。
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家の遠かった晴美の自転車を浩二は代わりに押している。
浩二の大股で歩幅の広いその後ろを、ちょこちょこっと歩幅の狭い晴美がついてゆく。
晴美は、思わず浩二のシャツを後ろから摘んだ。
浩二がそれに気付き立ち止まり、「ごめん」と言って歩幅を合わせ、ふたりは横並びに歩き出す。
「あ、あの……」
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