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「それに無人島じゃカフェはできないし。コーヒーも淹れられやしないし。俺はヒロといられるここが好きだよ。だから居るのが現代日本の東京で良かった」
辿り着いたところはこの答え。
選んだ、と弘樹は言った。
でも選んだのは弘樹だけではない。
游太も同じなのだ。
大勢の中から、一生を共にするのを弘樹であってほしいと望んだ。
気持ちなんてまるで同じではないし、こうしてそれが食い違うこともあるけれど。
立て直せるものなのだ。
選んだものを大切にしたいという気持ちだけは、同じだから。
「でも昨日のことは別だ。償ってもらうからな」
じとっと、今ばかりは不満たっぷりの眼で言った游太に弘樹はちょっと身を引く。
話は終わって、つまり仲直りといえるものもできたのだから、ここからは通常営業。
「う、……ああ、わかった」
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